東京五輪・パラリンピック開閉会式演出の佐々木氏、タレントの渡辺直美さんに不適切な演出案と文春オンラインが報道 組織委員会橋本会長は18日会見
17日=都内 東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクター佐々木宏氏(66)が昨年3月、開会式に出演予定だったタレントの渡辺直美さん(33)の容姿を侮辱するような演出プランを、担当するチーム内のLINEでやり取りしていたと17日午後、文春オンラインが報じた。大会組織委員会はこの件について17日、高谷正哲スポークスパーソンが取材に応じ「現在、佐々木氏本人に事実を確認しており、もし事実とすれば不適切であり、大変遺憾。女性蔑視と捉えられる発言だ」と謝罪した。18日に、事実関係を確認したうえで、橋本聖子会長と武藤敏郎事務総長が会見する予定を明らかにしたが、佐々木氏本人が出席して謝罪するかどうかは回答していない。昨年3月当時、佐々木氏は五輪ではなく、パラリンピックのセレモニーを担当していた。
世界中に理念や意義を発信する五輪セレモニーの総合演出者として、あまりに軽率で無知な発想は今後、女性蔑視という差別だけではなく、様々な問題に発展する可能性をはらむ。佐々木氏の進退も問われる。
森喜朗・前会長の女性を差別するような発言で体制が変わってわずか1カ月で、またも男女差別に限らない重大な問題に直面。橋本会長の対応、組織としての危機感や、リスクマネージメント、処分について再び厳しい評価にさらされることになった。組織委員会は昨年12月、コロナ禍などにより五輪の縮小化に伴い、演出の総合統括を務める予定だった狂言師の野村萬斎氏(54)ら7人のチームが解散して形を変えた。
佐々木氏は16年リオデジャネイロ五輪閉会式の、リオと東京の引継ぎ式では、安倍首相のマリオを演出し、昨年は競泳の池江璃花子を起用し延期に伴う1年前イベント「プラス1」も担当。さらに、自身も加わっていた野村氏らのチームが解散するなか、延期された東京五輪のセレモニー担当に1人就任するなど、組織委員会との深い結びつきを背景に全体の統括役となった。佐々木氏は昨年12月の会見で、「野村さんたちの思いもくんで、希望の先に見えるものを表現できればと思う」と話していた。