東京五輪 海外の観客受け入れは聖火リレー前に、観客上限は4月に決定「国民の安心、安全のために早い判断が必要」橋本会長5者協議後に
3日=都内 東京五輪・パラリンピック組織委員会、橋本聖子会長と、IOC(国際オリンピック委員会)バッハ会長、小池百合子都知事、IPC(国際パラリンピック委員会)パーソンズ会長、丸川五輪相による初の「5者協議」がオンラインで行われた。終了後、橋本会長は大会への海外からの観光客受け入れについて「3月中に判断する」としたうえで「(会長として)聖火リレーがスタートする前に決めたい。いつまでに何を決めていくか、皆様にスケジュールを示す」と、3月25日に聖火リレーが福島をスタートする前に、海外からの移動によってもたらされる変異株への不安などについて、国民、都民に明確な方針を示すと明かした。また、観客数の上限設定について、大坂なおみが女子単を制したテニスの全豪オープン、国内で2月26日に開幕したJリーグ、今月始まるプロ野球が昨年から有観客で試合を実施してきた先行事例を参考にしたうえで、「科学的な知見が必要。4月中に判断する」と、決定時期を4月と明言した。IOCはこれまで4月から5月に判断する方向性を示していた。会長は、自ら決定期を早める判断で、都民、国民の不安感を少しでものぞき、理解、関心を五輪に向けてもらいたい意向を示した形だ。
この日の5者協議では、1月に、前・森喜朗会長、またバッハ会長が「あらゆる選択肢を考えたい」と、可能性を示唆していた無観客については議論されなかったという。
海外からの観客受け入れについては、政府が水際対策の中でも特に、変異株が持ち込まれた点に対して慎重な姿勢を見せている。加えて国内でのワクチン接種もまだ一般には始まっていない状況で、会長は「国民、都民の皆さんが安全で安心だ、と実感できなければ(受け入れは)難しい」と、聖火リレーまでの早い段階で発表する方針。会議の冒頭、バッハ会長は「IOCは日本の皆さんの側にいる」と繰り返しコメントした。五輪開催を望む声が世界的にも低い国内世論に対し、これまでの「人類がコロナに勝った証」という論調から姿勢を変えて訴えかけたのが印象的だった。
パーソンズ会長も会談に入る前に「大会の準備にあたって今は重要な時期。もし、を議論する時ではなく、どうやって、を課題とすべき時だ」と、具体的な議論を提案した。。