東京五輪5者協議が始まる「日本国民の安全のため、難しい決定をしなくてはならない」冒頭あいさつでバッハ会長、海外観客受け入れ断念を示唆
20日=都内 7月23日開会式となる東京五輪・パラリンピックの組織委員会橋本聖子会長、丸川珠代五輪相、東京都の小池百合子知事、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長、IPC(国際パラリンピック委員会)のアンドリュー・パーソンズ会長による5者協議が午後6時からオンラインで始まった。冒頭、バッハ会長は「全ての参加者、とりわけ日本国民の安全を守らなくてはならない。延期という初の事態を受け入れて下さった日本国民の皆さんを尊敬している。安全第一のためにも難しい決定をしなくてはならない」と、国内の世論にも寄った挨拶を行い、海外在住の一般観客の受け入れ断念を示唆した。国内外の新型コロナウイルスの感染収束が見通せず、さらに変異ウイルスが広がっており、日本側は医療機関、国内世論を優先して海外観客断念を提案するとされる。昨年3月、安倍晋三前首相が大会延期を表明。その際に「延期によってのマイナスがないよう、完全な形での開催を目標にする」と話したが、完全な形は大きく変わる五輪のターニングポイントとなった。
国内を含めた全体の観客数の上限は4月中に方向性を決める。
1896年に始まった近代五輪で、海外観客を受け入れない事態となったのは初めて。五輪の核ともいえる「オリンピズム」が失われる形となる。また、経済効果の大幅な減少も避けられない。
海外在住者向けの一般チケットは100万枚程度を確保しており、うち約20%が販売済みとされている。組織委は今後、払い戻しなどの手続きに入る。