スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年3月17日 (水)

体操の内村航平 「ジョイカルジャパン」との新しい所属契約 「所属先がなくなった時にはどうしようかと・・・プロの厳しさ知った」心境吐露

7日=都内 体操種目別鉄棒で東京五輪出場を目指す内村航平が、前所属先のリンガーハットの契約がコロナ禍による業績不振を理由に終了し、新しい所属先として、車の短期契約リースサービス「NORIDOKI(ノリドキ)」などを提供、販売する株式会社「ジョイカルジャパン」(東京都品川区五反田、中村靖弘代表取締役CEO)と3年契約を結んだ。同社はこれまでも内村の活動「逆上がり教室」などを支援するスポンサー企業だった。リンガーハットの契約打ち切りの後、「所属先がなくなった時にはどうしようかと思ったが・・」と内村は会見で心境を吐露。「ここ1年は、イレギュラー過ぎてどうしていいか分からない日々が続いていて、所属先がなくなり、改めてプロでやっていく厳しさ、こうして新しい契約して頂く有難さを知った。ここを(体操のプロ)目指す選手たちには、厳しさも教えることができたかなと思う。東京オリンピックは、これまで通り、やるであろう、と思っている。そこへの気持ちは変わらない。コロナ禍がまさか自分に降りかかってくるとは思わなかった。アスリートに支援して頂くのは本当に大変なことで感謝しかない」と、安堵と感謝、また、16年リオデジャネイロ五輪で個人総合の連覇を果たして転向したプロとしての厳しさ両方を口にした。中村CEO自身も体操の経験者で高校の名門でインターハイ出場を狙うほどのレベルだったが、ひざの大けがで競技を断念したという。それだけに「24時間、365日体操を追求する集中力など、(所属契約で)本当に素晴らしい選手。社員にとっても学ばせて頂ける機会だととらえている」と、トップ選手への敬意を口にした。内村は「NORIDOKI」の特命部長、という名刺を壇上で受け取っていた。「ジョイカル」移籍後最初の試合は全日本選手権となる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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