東京五輪・パラリンピック組織委員会森会長後任を選ぶ「会長候補者検討委員会」初会合 候補者の資質に高いハードル設定 17日にも1本化へ調整
16日=都内 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は、12日に辞任した森喜朗会長(83)の後任を選ぶ「候補者検討委員会」(御手洗富士夫名誉会長が座長)を、この日初めて開催したと明らかにした。会合は午後に約1時間。女性を差別する発言で引責辞任した森会長の後任を選出する重大、かつ歴史的な評価を受ける選出を任された委員たちには、改めて重い責任感が漂っていたと武藤氏は話した(同氏は検討委員会メンバーではないが事務方として出席)。
検討委員会のメンバーは、御手洗氏のほか、組織委員会の理事会の中から男女、アスリートなどのバランスを取って招集されており、スポーツ界ではJOCの山下泰裕会長、室伏広治・スポーツ庁長官(アテネ五輪陸上ハンマー投げ金メダル)、モントリオール五輪女子バレーボール金メダリストの荒木田裕子氏、女子柔道の谷本歩実(アテネ、北京五輪金メダリスト)、体操の田中理恵、パラリンピック水泳で合計15個の金メダルを獲得した成田真由美氏らオリンピアン・パラリンピアン、多羅尾光睦・東京都副都知事を加えた計8人で構成される。
第一回のこの日は、委員会として新会長に求める5つの資質を以下のようにまとめた。
●オリンピック・パラリンピック、スポーツに対する造詣があること
●ジェンダー・イコーリティー、ダイバーシティ、インクルージョンなどオリンピック憲章や東京大会の理念を実現し、それを将来にレガシーとしてつなげていくことができる人
●国際的な活動の経験があり、国際的な知名度や国際感覚があること
●東京大会のこれまでの経緯や準備状況について理解していること
●組織運営能力や多様な関係者の調和を図る調整力を備えていること とした。
武藤総長は「(検討委メンバーから)出ちゃいけないとは考えない」と、8人からの会長候補選出も可能と説明した。候補者検討委員会は17日にも行われ、委員それぞれが1人、もしくは複数の候補をあげて候補者を絞る作業に入る。候補者の1本化が行われれば、今後、理事会にはかり決定する。
5つの観点の資質は、高いハードルだが、「5つが基準であるかのように厳密に考えるものではない」と、武藤総長は「高さ調節」は可能だとの見解を示した。