サッカー天皇杯100回 川崎 三苫のゴールで悲願の初優勝でリーグ戦と2冠「世界で一番幸せなサッカー選手」引退の中村憲剛
21年1月1日=国立競技場(観衆13318人) 新型コロナウイルスの感染拡大で、出場チームを従来の88から52に減らし実施した第100回天皇杯決勝が行われ、川崎フロンターレが後半10分、昨年ベストイレブンにも選出された三苫薫の先制点で勝ち切り、過去の最高位だった16年度の準優勝から悲願の初優勝を果たした。川崎は、リーグ戦に続き、2つ目のタイトルを手にした。「(未冠の天皇杯を)取ってキャリアを完結させたい」と話していた中村憲剛も初の栄冠を手にして花道を飾った。昨年リーグ戦で0-5と敗れたG大阪が、川崎が若干、苦手とする3バックを敷き、守備では5バックと川崎の攻撃を形成する両翼を封じ込めようとした。前半は川崎がシュート13本に対してG大阪は2本。宮本監督の現実的な守備の狙いを貫いて、前半を先ずは無失点とした。
後半、川崎は中央からの展開で、FW・Lダミアンが、左から中央へ走り込んできた三苫へスルーパス。三苫はスピードに乗ったワントラップでDF2人の中央を割りフリーの体勢に。前に出たG大阪のGK・東口順昭を交わして右足でゴール左隅にシュート。先制点を奪った。G大阪は飲水タイムに入る後半20分に、4バックに代え、交代で先手を打ってゴールを奪いに行く。40分には宇佐美貴史が左足で強烈なシュートを放ったが川崎GK・チョンソンリョンに阻まれた。終盤はG大阪に押し込まれたが、アディショナルタイム4分を凌いで1-0で天皇杯初優勝を叶えた。この日は、陸上の全日本実業団駅伝で、富士通が12年ぶりの優勝もし、元日の2大スポーツでプロアマ両方で富士通が21年初タイトルを奪取した。
鬼木監督(以下、速報インタビューから)初タイトルを狙ってきたなかでリーグ戦で素晴らしい結果をとにかく最後に優勝することが大事だった。サッカーは決めきるところで決めないとこうやって苦しくなる。(中村へ)このチームをひっぱってくれてありがとう、憲剛がここまでやってきたことでタイトルを取れた。試合には出られなかったが、皆さんにこの功績を称えて欲しい。来シーズン、きょうのように相手が色々なことをしてくるが、それに負けずにどんどんチャレンジしたい。
三苫 ダミアンがいいパスをくれて、冷静になれた。前半から仕留めるチャンスがあった。ルーキーイヤーに2つのタイトルは出来すぎ、今シーズンがまたはじまるのでまたたくさんのタイトルを取りたい。先ず自チームで沢山点を取り、オリンピックの代表としても頑張りたい
中村 今、世界で一番幸せなサッカー選手だと思う。まだ(引退の)実感がなく、来週あたり等々力でボールを蹴っていそうな気がする。これからは、日本サッカーに貢献したい。