主力の海外移籍、東主将の骨折離脱、超過密日程・・・乗り越えたFC東京優勝の価値
大会MVPに選ばれたレアンドロは、17年に鹿島アントラーズに加わり3シーズンプレーし、今季、FC東京に移籍した。一昨年はACLで優勝したものの、自身はケガで離脱するなど力を発揮できずにシーズンを終えた。レアンドロは「日本で4年目だが、一番良い年になった。鹿島でACLも勝ったけど少ししか出られずに怪我もした。チームとして戦ってタイトルも取れて、素晴らしい1年間だった。大変なシーズンだったと思う。タイトなスケジュールでもここまで長引いたけれども、みんなで勝利できたのが本当にうれしい」と、充実感を漂わせた。
ACLから今季終盤はアンカーを務めた森重真人の安定感も勝因となった。FWで得点王、JリーグMVPのオルンガ、オルンガと連動するトップ下の江坂、クリスティアーノの動きを、DFジョアン・オマリ、渡辺剛と最終ラインと粘り強く封じた。「攻めているときのリスク管理とカウンターに注意をして、ジョアンと剛と自分の真ん中3人でコミュニケーションを取りながらうまく封じられた」と、オンラインでも安堵した表情が伺えた。
今季は、チームを支えてきた日本代表のMF橋本拳人とDF室屋成が海外に移籍し、さらに7月22日の札幌戦でMF東慶悟主将が右第五中足骨の骨折で長期離脱を強いられた。コロナ禍のリーグ戦スケジュールに加え、ACL出場で前例のない19連戦の超過密日程を抱えての苦闘だったが、森重は「(ACLを経験して)自分たちベテランも、若手も得たものが多かった」と、収穫をあげた。厳しいシーズンへの不満よりも、苦しさよりも、先ずは収穫をあげた森重のコメント、サッカーでこれらを乗り越えようとした姿勢が、FC東京の勝因の象徴だったのだろう。