スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年12月 5日 (土)

陸上長距離東京五輪内定の3人が会見 「ぎゃふんと言わせたい」(新谷)「苦しみを楽しめたら」(田中)「円谷さんと同じ入賞を」(相澤)

5日=大阪市内 4日に行われた日本選手権で参加標準記録を突破し優勝した女子1万㍍の新谷仁美(32=積水化学)、同5千㍍の田中希実(21=豊田織機AC)、男子1万メートルで日本新記録と参加標準記録両方を同時に突破して優勝した相澤晃(23=旭化成)の3人が、東京オリンピックの代表に内定し会見を行った。18年ぶりに日本記録を更新し、ロンドン以来2大会ぶりの五輪復帰を果たした新谷はレース直後から祝福の連絡があったが「さきほど(5日朝)母親からおめでとう、と連絡が来た。誰よりも一番遅かった」と笑いを誘った。五輪まで、よりスピードが求められる5千㍍でも代表を目指し、ほかにも中距離種目やスタミナの強化にハーフやマラソンにもチャレンジするという。「来年無事に開催されれば、最高のパフォーマンスを見せられるようにしっかり準備していきたい。日本人は(トラックで)勝てないと思われているので、ぎゃふんと言わせたい」と、ユーモアを交えて目標を見据えた。
田中は「きのうのレースまで恐怖と不安と苦しみが長く続いたので、実感が沸かないが、連絡をもらった人たちからは涙が出た、と聞き何かを感じてもらえたのがうれしかった。苦しみの分を楽しめるように取り組めたら。精神面を底上げしていきたい」と、会見中繰り返し「苦しみ」という単語を使って、反対の喜びを表現していたようだった。

3人が日本新記録を更新するスピードレースを制した相澤は「まだ興奮している」と率直な感想を明かし、同じ福島須賀川出身で、64年の東京五輪ではマラソンで銅、1万㍍でも6位に入賞した円谷幸吉さんとの縁に触れ「オリンピックの延期で自分に運が向いてきたと感じていた。今後はスピード強化をさらに行い、(元日の)実業団駅伝の区間賞など、(東京での)入賞に向かって、1段も2段も自分を高めたい」と、初出場の感激を噛みしめていた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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