スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年12月23日 (水)

東京五輪の開閉会式 コロナ対策や簡素化を理由に 野村萬斎、椎名林檎氏ら7人の演出企画チームを解散し新たな体制に

23日=晴海 2020東京五輪組織委員会は新型コロナウイルス感染拡大による今年の開催中止、来年への延期に伴い、オリンピック開閉会式の仕様の大幅な変更を要するため、野村萬斎・チーフ・エグゼクティブ・ディレクター、椎名林檎氏ら当初予定したチームによる開閉会式の7人のディレクターによる演出企画の退任を明らかにし、新たな体制を構築しなおすと発表した。野村氏は会見に出席し、「こういう状況のなかで色々なものが変わっているのは私が申し上げるまでもない。日本人が世界に発信できるメッセージは何かを突き詰めてきた。出演スタッフには断腸の思いだが、感謝、慰労を申し上げたい。即時に判断が求められ効率が最優先なのだと思う」と無念さをにじませた。佐々木宏氏に全てを引き継ぐためには白紙に戻すべきと、次の体制を尊重し、ここまで野村氏らが2年以上準備した演出内容は明かさなかった。武藤事務総長は、コロナによって長い時間準備が止まってしまい、時間的にも物理的にも当初なかった制約が生まれた点を理由にあげ、「あと7ケ月しかないなかで佐々木さんチームには、コンセプトとして、シンプル、シンプルではなく、コロナの元での人間活動はこういうものだというのが示されるものであって欲しいと、お伝えしている」と新たな要望を明かした。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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