東京オリンピック聖火リレー 延期前と同じ1万人のランナーが121日間全国859市区町村で実施
15日=都内 21年3月25日に福島の「Jヴィレッジ」を出発する東京五輪の聖火リレーまで100日を迎えたこの日、大会組織委員会は延期前と変わらない全国859の市区町村で実施することを改めて発表した。
来年に延期された東京オリンピックの聖火リレーは、日程を1日早めた来年3月25日に福島県(楢葉町・広野町)をスタート。延期前と同じ都道府県の順番で、およそ1万人のランナーが121日間をかけて全国を回る。聖火リレーを行った日の最後に、聖火の到着を祝うイベント「セレブレーション」を行う会場も公表した。
聖火リレーを実施する都道府県の内訳は、当初の計画どおり、開催都市の東京が15日間、東日本大震災の東北の被災3県と、オリンピックの競技会場が複数ある埼玉、千葉、神奈川、静岡の各県が3日間、ほかの道府県は2日間となっている。詳細なルートや到着時間は来年2月に発表される予定。沿道での3密の回避や、マスクの着用などを呼びかけとは別に、組織委員会が詳細なガイドラインを作成するという。
この日は聖火を運ぶ、岩手県三陸鉄道に勤務する千代川らんさん(21)もリモートで会見に参加し、「復興に向けて1歩ずつ進んできた姿、今しか見られない岩手の姿を世界中の皆さんに見てもらう貴重な機会だと思う」と期待を寄せた。また1964年の東京オリンピックで聖火ランナーを務め、ことし開催予定だった大会の聖火ランナーにも内定していた東京都の遠藤良宏さん(75)も「聖火ランナーは、誇りに思うし、私の財産になっている」と、半世紀を超える今も残る感動を明かした。
政府はコロナ感染予防に、著名人ランナーの見送りを組織委に要請している。例えば今年、アテネで採火式、聖火リレーを行った際には、有名俳優に観衆が撮影をしようと殺到したため、聖火リレーが2日で中止に追い込まれるなど、1万人の聖火ランナーとルートは維持するとしている組織委員会は、今後も著名人が走る様子をPRすることで機運醸成につなげたいとする。