天皇杯準決勝 三苫、田中碧の2点で川崎が秋田を完封 天皇杯初VとJリーグ優勝の2冠へ前進「天皇杯優勝でキャリア完結させたい」中村憲剛
27日=等々力陸上競技場(9772人) J1優勝の川崎、2位のG大阪がトーナメントに入っての天皇杯準決勝が行われ、開幕戦から首位を一度も譲らず、20勝8分けと(開幕から)独走して優勝を果たしJ2昇格を決めたJ3代表・ブラウリッツ秋田が、F川崎と対戦した。秋田はブロックをしっかりと固めて、今シーズンJ1歴代最多得点をあげた(88点)川崎の攻撃力に対応。前半中盤まで警告2枚を負ったが、川崎に決定的なチャンスは作らせなかった。しかし39分、川崎のLダミアンがペナルティエリア手前中央で反転され、これに秋田DFが一瞬の注意力を奪われてしまったところ、ダミアンは左から入ってきた大島僚太へパス、秋田のマークがズレた。大島のパスを受けた三笘薫はスペースを突破しペナルティエリア左へ抜け、右足でゴール。前半はアディショナルタイム2分で、前半無失点を狙った秋田は1点ビハインドで折り返した。後半も秋田は前半の失点シーンを修正して川崎に決定機を作らせず、30分を過ぎ、川崎のシュート12本に対しわずか1本ながら、徹底した守備でチャンスを伺った。36分、大島へのファールで、エリア中央左付近、絶好の位置でFKを与えた。田中碧にゴール右隅に決められ2点目を許した。試合はそのまま秋田0-2で終了。秋田はJ3優勝と天皇杯準決勝進出の経験を来季に活かせるか期待が寄せられる。川崎の天皇杯決勝進出(21年1月1日、国立競技場)は16年度以来2度目で、初優勝、リーグとの2冠に王手をかけた。
試合後のフラッシュインタビューで、天皇杯で引退となる中村憲剛は「まだ取ったことのない天皇杯への思いは強い。複数タイトル獲得が今季のチーム目標。勝って(18年間の選手キャリアも)完結させたい」と、初タイトルへの強い思いを「完結」に込めた。また、FKで試合を決めた田中碧もオンライン会見で「(リーグとの2冠の)チャンスが目の前にある。リーグとは違う緊張感を、楽しんでやれればいい。勝って(タイトルを)決めるというのはサッカー選手としてなかなかできない」と、大舞台へ意欲をのぞかせた。遠慮がちだったFKを「決められて自信になった」と話して会見席を立ち上がろうとしたが、思い出したように「あー、でもアレです、FKキャラ(FKのスペシャリスト)とかじゃなくて、たまたま入ったということにしておいてください!」と照れ笑いをしながらメディアにリクエストしていた。決勝は、準決勝で徳島を下した(2-0)G大阪との対戦となった。