スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年11月 7日 (土)

PCR検査「偽陽性」だった体操・内村航平会見「正直、絶対ウソだと僕自身が疑いを持っていた。でもいい経験になった」と本音

7日=オンライン 体操の内村航平(31=リンガーハット)が、8日、東京オリンピックを目指す競技団体では初めてとなる国際競技会(東京・代々木第一体育館)前日、オンラインの取材に応じ、自らのPCR検査が「偽陽性」と判定され、後に陰性とされた件について初めて話した。その中で「(結果を聞いて)正直、絶対ウソだ、と思った。感染経路が不明過ぎるというか、僕自身疑いを持っていた」と本音を初めて口にし、大会前に検査について説明を受けた際に「偽陽性は(選手にとって)一番いやじゃないか、と質問していた」と明かした。そして「でも、何で(自分の検査結果が)偽陽性なんだよ、とは全く思っていない。それよりも、(2日間部屋だけでの隔離など)普通ではないことをいかに普通にやるかという意味でいい経験ができた。普通じゃないことを楽しめている自分がいることも知れました」と、どんな困難をもプラスの経験値に代えてしまう、超一流選手らしいメンタリティを笑顔で語った。内村は大会前10月21日、28日に検査を実施し、そのうち28日の検査分が「陽性」と判定を受けた。その後、NTC(ナショナルトレーニングセンター)も一時閉鎖され、2日間の自室待機など「偽」判定に対応する結果となってしまった。その後、同じ検体が陰性と再確認されており、五輪で検査体制に検討課題が集中するなか、もし判定が異なった場合、選手が試合に出場できなくなるという最悪のケースを新たな課題としてあぶり出した。内村は8日、鉄棒1種目で試合に臨んだシニア選手権で集中しきれなかったという反省をもとに、跳馬、あん馬、床、鉄棒4種目に出場を予定し、競技場内でリズムを作っていきたいとしている。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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