スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年10月14日 (水)

日本代表コートジボワール戦 ATに植田の代表初ゴールで今季初勝利 カメルーン戦とも無失点の収穫 

オランダ・ユトレヒト13日(日本時間13日) サッカー日本代表の国際親善試合が無観客で行われ、FIFA(国際サッカー連盟)ランキング28位の日本は、同60位のコートジボワールと対戦し、アディショナルタイムに途中出場したDF植田直通(25=セルクル・ブリュージュ)がセットプレーからヘディングで代表初ゴールを決め2020年初ゴールで初勝利をあげた。
史上初めて欧州でプレーする選手だけで組まれた日本代表・森保一監督(52)は、今年初戦の9日のカメルーン戦(0-0)とは先発7人を替え、19歳のMF久保建英(ビリャレアル)、1トップは所属するブレーメンの事情でカメルーン戦後に離脱したFW大迫勇也(30)にかわって、FW鈴木武蔵(ベールスホット)らが入った。両チーム無得点で迎えた後半13分、右サイドのMF伊東純也(ゲンク)からのパスを、MF鎌田大地(フランクフルト)がボールを受ける際に身体をうまく反転させてエリア内に。強烈なシュートを放ったがセーブされ、こぼれ球と2本を打ったがビッグチャンスを決められなかった。
16分、森保監督は久保にかえて南野拓実(リバプール)を投入。粘り強く守り、アディショナルタイム、右サイドでフリーキックを獲得。MF柴崎岳(レガネス)からゴール前に入ったパスに、フリーになっていた植田がファーヘディングで飛びこんで、代表としての今年初ゴールを決めて勝利をもぎ取った。アフリカ勢を相手に2試合無失点を収穫とした。
 11月にはもう1度、代表戦を行う予定。森保監督は帰国し、政府の規定通り、2週間をめどに自主待機をする。
監督は試合後、オンラインの会見でコロナ禍で10か月ぶりとなった2連戦の活動を振り返り「今回チャレンジしたいと思っていたことはある程度できた。勇気を持って積極的にチャレンジしてくれたことが監督として嬉しくハードワークしてくれた。2戦目では自陣からボールをつないで攻めていく。勇気のいることだが、これにチャレンジしてくれた。守備では、切り替えを早くボールにアタックすることにチャレンジしてくれた。カメルーン戦は後半3バックにし戦術の幅を広げ、流れを観ながら試していくという戦いをしたが、コートジボワール戦は4バックでいったほうが勝利の確率が高くなると判断した」と、手ごたえを口にした。

 吉田麻也主将 「(コロナ禍で)改めてハングリーになれた」
 ここまで硬く守った記憶はなかなかないし、非常にコンディションのいい相手を無失点で抑えたのは自信になる。やりかた、タイミング、コンディションをすり合わせるのが課題だった。2試合目はビルドアップやスローインで失う回数(の減少)など1試合目をうまく修正でき、非常にテンポよく回せた。アフリカ勢の守備はファーサイドがあくケースが多く、ニアで自分がおとりに入って、(キッカーの)柴崎にもファーに蹴って欲しいと言った。改めて日本代表の存在、入る意義を考える時間があり、改めてハングリーになれた。衛生管理を徹底しポジティブ(陽性者)を出さずにうまく乗り切れた。しかし次の検査までネガティブの結果を出すということが今回のシリーズを全うすることになる。

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

カテゴリー

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」