スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年7月23日 (木)

東京五輪1年前イベント開会式の2000に合わせて、池江のメッセージを国立競技場から世界に発信

23日=国立競技場 1年後に延期された東京オリンピック開会式(23日)の開会式時刻2000時に合わせ、国立競技場から「一年後へ。一歩進む。~+1(プラスワン)メッセージ~ TOKYO2020」と題した映像が発信された。ピッチに立った競泳の池江璃花子(日大2年 ルネッサンス所属)は、真っ白なコスチュームで「(略)大きな目標が目の前から、突然消えてしまったことは、アスリート達にとって、言葉にできないほどの喪失感だったと思います。私も、白血病という大きな病気をしたからよく分かります」と暗記した言葉を読み上げた。「(略)もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声があることもよく分かります。ただ、一方で思うのは、逆境から這い上がっていく時には、どうしても希望の力が必要だということです(略)一年後の今日、この場所で希望の炎が、輝いていて欲しいと思います」と結び、目元をハンカチでぬぐっていた。イベント中、関係者はスタンドから競技場内の大型テレビを観るのみで、池江のコメントは事前に発表されたものだけだった。今回のイベント制作は、リオデジャネイロ五輪で、安倍首相がマリオに扮した「フラッグハンドオーバー」(次期開催地への五輪旗引継ぎイベント)を企画した佐々木宏氏で、池江が、病気を克服する力強さと東京が示す希望が重なる、と起用したという。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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