Jリーグ、NPBへ「開幕、再開日程の決定は現時点で困難」と専門家会議が提言 再開準備へガイドライン作成が急務
11日=オンライン会見 プロ野球とサッカーJリーグが3人の感染症専門家を交えて、新型コロナウイルスの対応策を協議する7回目の「対策連絡会議」がウェブ形式で行われ、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授らは、「緊急事態宣言が続いている現時点でシーズンの開幕や再開の日付を決めるのは難しい」との見解を示した。感染者数は減少傾向だが、予断を許さない。各国の例をみても緩和措置の後の再流行のリスクがあり、長い目での対応が必要で、「(この期間に)できるだけ慎重に再開に向けた準備を行っていただきたい」とガイドライン作成など再開準備について提言した。Jリーグの村井満チェアマンは「世界のいくつかの国ではプロスポーツが再開したが、再流行が報じられているところもある。再開後に安定的に運営できるか、長期的に準備していかなければいけない」と話し、プロ野球の斉藤惇コミッショナーも「一定の日をはっきり置いて開催を決めることは今できないと思う」と、開幕、再開しても改めて中止せざるを得ない状況にならないよう、慎重な姿勢を見せた。専門家3人は、すでに開幕した韓国プロ野球、サッカーKリーグ、また観客を1000人程度入れての試合開催へと進んだ台湾プロ野球をひとつの参考にしたうえで、3月にすでに作成されている感染予防対策をさらに詳細にまとめたものを定める準備を始めている。
ブンデスリーガ(ドイツ)では、2部まで選手約1700人のPCR検査を行ったうえで無観客試合実施に踏み切った。しかし日本国内のPCR検査数が前進しない状況下で、選手たちが試合再開のために優先的に検査するのは国民感情からも難しい。激しいコンタクトスポーツだけに、この日も選手代表として「検査なしでの試合で大丈夫なのか。(試合後の)免疫力の低下で感染リスクが高いのではないか」と、リーグ理事の播戸竜二氏から指摘があったという。こうした疑問、不安に対して専門家からは、PCR検査を例えば10人分まとめて行い、もし陽性者がいれば改めて10人検査を行う方法、抗体検査などより簡易で人数を消化できる方法も紹介されたという。村井チェアマンは「(PCR検査の数を増やさずに)合理的にできるとご提言をもらい少し日が見えた(希望がある)部分もある」と話し、政府の緊急事態宣言解除への提言がされる予定の21日の(政府の)専門家会議、また22日のNPBと合同の連絡会議が今後の決断にひとつのポイントとなる見通しを示した。
〇・・・ 5月15日の「Jリーグの日」、1993年の開幕からJリーグは今年で27年を迎える。この間、この日に公式戦が行われないのは、2002年の日韓W杯のための日程変更以来2度目となる。チェアマンは「スポーツの価値、可能性について改めて何かお話できればと思う」と、メッセージの発信を予定し、各スポンサーとの連絡を取り合い、激励を受けていると明かした。