スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年3月 8日 (日)

名古屋ウイメンズマラソン 一山麻緒が日本歴代4位2時間20分29秒で優勝し東京五輪代表に 男女6人の代表決定

8日=名古屋ドーム発着 天候雨、気温8・5度 東京五輪女子マラソン最後の代表の座をかけた名古屋女子マラソンが行われ、昨夏のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)6位から再戦に臨んだ一山麻緒(いちやま・まお、22=ワコール)が、ペースメーカー不在となった30㌔以降ハイペースで独走し2時間20分29秒と、1月、大阪国際女子マラソンで2時間21分47秒で優勝した松田瑞生(ダイハツ)のタイムを上回って代表に内定した。今レースのペースメーカーが1㌔3分20秒でレースをリード。ペースに付ききれなかった福士加代子(ワコール)、岩出玲亜(アンダーアーマー)が早くも10㌔過ぎて脱落した。雨で気温が上がらず、さらに風も終始受けるために体温が奪われる悪条件ながら、一山麻緒、安藤友香のワコール勢、一般参加の佐藤早也伽(積水化学)3人が1時間10分26秒でハーフを通過、松田のタイムを視野に優勝争いを展開する。緩やかな坂もあり一時は1㌔3分29秒までペースで落ちてしまい、松田のタイムには及ばなくなってしまう。30㌔手前、一山が思い切ってペースメーカーと並び、一気に3分14秒と15秒ほど戻して30から31㌔も同じペースで先頭に立った。20から25㌔が17分01秒とかかったが、一山は一人になった30から35㌔で16分14秒にまでペースを上げて松田のタイムを上回って、名古屋女子マラソンでも7年ぶりとなる日本人優勝を果たした。20分台が日本の女子ランナーとしては国内の最高タイム。これで女子の代表は、MGC優勝の前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)、一山となった。男子も8日のびわ湖マラソンが最後の選考会となったが、大迫傑(ナイキ)の記録を超えられなかったため、東京マラソンで日本人1位となり、自らの日本記録を更新した大迫が、マラソン代表では初の五輪代表に。MGCで優勝した中村匠吾(富士通)、服部勇馬(トヨタ自動車)と男女ともマラソン6人の代表が決まった。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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