スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年2月23日 (日)

G大阪・遠藤保仁 J1最多出場631試合に並ぶ 「631試合に出る大変さは正剛さんと僕しか分からないと思う」””読み”で開幕戦勝利に導く

23日=日産スタジアム ガンバ大阪・元日本代表MF遠藤保仁(40)が、昨年Jリーグ優勝の横浜Mとの開幕戦で、楢崎正剛(名古屋GK、2018年引退)のJ1最多出場記録631試合に並んだ。プロ23年目で、開幕戦先発出場を00年から21年連続とJリーグ記録も更新しフル出場した。次節、3月1日、ホームでの仙台戦で単独首位記録となる632に更新される可能性が高い。遠藤は試合後、「正剛さん(楢崎)に並べて大変うれしい。(リーグ戦で)631試合に出る大変さは正剛さんと僕にしか分からないものだと思う」と、自らの偉業よりもまず、横浜フリューゲルス時代の先輩でもある楢崎が到達していた大記録に敬意を表する「らしい」コメントをした。J1出場記録で600試合を超えたのは2人だけで、3位には中澤佑二(横浜FM)の593試合、4位は阿部勇樹(浦和)の574試合。
試合は前半6分、本来は横浜Mが狙う高い位置からの仕掛けをガンバが制して先制。1-0と試合の主導権を握った。34分には左サイドを倉田が突破し、マイナスでゴール前に折り返し、これを矢島慎也が決めて2-0とした。前半、横浜Mのマルコスジュニオールの動きで自陣にスペースができてしまう状況を読んで、宮本恒靖監督にピッチからボランチを厚くするようにシステム変更を要求するなど、40歳のMFが今もピッチで輝き続ける理由、存在感を存分に示し2-1でG大阪が昨年王者を破って今季をスタートした。
宮本監督は「
ヤットがピッチにいるということで試合が落ち着く。90分はなかなか難しいと思ったが、試合を締めてくれた」と称賛。視察した森保一監督は遠藤の偉業について、「ハードワーク、ゲームを読む力、頭がいい、センス、進歩するサッカーの変化への対応力」と、同じボランチに対する最高の賛辞を送っていた。日本代表でも歴代最多となる152試合出場(15得点)、昨年、日本選手で史上初となる公式戦1000試合出場を達成しており、この日で通算1014試合目の出場となった。

遠藤保仁(えんどう・やすひと)1980年(昭55128日、鹿児島県生まれ。名門・鹿児島実から98年横浜F入りし、京都を経て01G大阪移籍。98年3月、横浜ダービーでJ1デビューを果たし、以後、日本代表でも021120日アルゼンチン戦初出場から、W杯は06年ドイツ、南ア、14年ブラジルと3大会連続出場。178センチ、75キロ。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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