スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年1月14日 (火)

バドミントン・桃田賢斗15日に帰国へ 骨折はなく、全身打撲と顔面3か所の裂傷 帰国後再検査

14日=バドミントン協会(東京新宿区・ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア) 13日、マレーシアでの国際大会から帰国するため空港に向かう途中で衝突事故に巻き込まれた桃田賢斗(25=NTT東日本)、平山優コーチ(全身打撲、歯の損傷)、森本哲史トレーナー(右前腕骨折、全身打撲)3人の病状が、バドミントン協会・銭谷欽治専務理事によって初めて報告され、桃田については顔面の裂傷3か所と全身打撲で、伝えられた鼻骨の骨折などはないとの診断が出ていると明かした。24歳のドライバーが死亡する追突死亡事故で、専務理事は哀悼の意を示した上で「(死亡するほどの大事故になるところ)3人とも命に別状はなくうれしく思う。神様にありがとう、という思い」と声を詰まらせ、事態の深刻さを伺わせた。桃田らはシートベルトを着用しており最悪の事態を免れたという。一晩入院して検査を受け、CTは撮影したが、15日に帰国した後、MRIなど再検査を行う予定だ。また、4月に正式に発表される東京五輪出場は確実なため、今後予定される2月の団体戦などは休養にあて、3月の全英オープンから復帰を見込んでいる。一方で、銭谷専務理事は「ボクサーの試合後のような状態で、さらに精神的なダメージもある。全身打撲の痛みが脳、またメンタリティも心配はある。五輪にかける思いは強いが、あまり焦らずに復帰を目指して欲しい」と、エースを慮った。

朴ヘッドコーチのコメント(現地対応中=協会から配布) あまりにも大きな不慮の事故が起きてしまった。本人の心と体が傷付くようなことが起きて残念だ。まずは負傷の回復と事故の後遺症に対する心理治療に集中していきたい。8週間後の3月に行われる全英オープンを目標に準備をしていく予定です(抜粋)

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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