スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年1月29日 (水)

札幌が2030年冬季五輪国内候補地に決定 現時点のライバルはソルトレーク、バルセロナ 早ければ来年にも決定の可能性

29日=JSPO(東京新宿区)JOC(日本オリンピック委員会)は理事会を開き、2030年の冬季五輪開催候補地に札幌を正式決定した。19年11月8日から、日本国内の候補地を募っていたが、札幌が唯一意思表明をしていた。今後、IOC(国際オリンピック委員会)に公式文書で通知する。従来の五輪開催地決定は「7年前ルール」とされ、五輪7年前と憲章に定められていた。昨年6月、この憲章を含め、五輪開催地のプロセスが変更され、決定時期は「8年前、9年前でも」(IOC)と前倒しできるよう柔軟なものとなった。1月のIOC総会では、札幌のほか、ソルトレークシティー(米国)、バルセロナ(スペイン)3都市が候補地としてあがっていると報告されている。18年の北海道地震で26年の立候補は見送ったが、今年に入ってIOCのトーマス・バッハ会長と札幌市の秋元克広市長が面談し、熱意や開催能力については「おすみ付き」を得ていた。ソルトレークも、28年の夏季五輪がロサンゼルスで行われると決まっているため2年後もさらに米国となれば、強い説得力が求められる。
こうした有利な状況を背景に、札幌に
は、もうひとつアドバンテージがある。東京五輪マラソン・競歩の急な、一方的な移転でいわば大きな「貸し」をIOCに作ったともいえる。無理難題を押し付けられてもそれを受け入れ、マラソン・競歩を成功させようとする札幌の姿勢自体、オリンピックムーブメントへの貢献として重要なアピールポイントとなる。


また、理事会では新型ウイルスによる肺炎の影響が、中国、日本国内で懸念されるなか、「注意喚起を競技団体に積極的に行うべき」との意見が出ており、今後、厚生労働省の指導のもと試合、遠征などの検討をするとした。五輪開催を脅かしかねないこうした感染症などへの危機管理も求められる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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