スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2019年12月31日 (火)

こけら落としのサッカー天皇杯決勝、創設25年で初タイトル、ACL出場、ビジャの花道飾る神戸が国立競技場で前日練習  

2019年大晦日=東京・国立競技場 こけら落としで新国立競技場初の天皇杯王者、25年目のクラブ初のタイトルをかけて20年元日、鹿島アントラーズに挑むヴィッセル神戸が、前日練習で国立のピッチでのトレーニングを行った。使用は決勝で戦う両クラブに認められたが、6回目の天皇杯獲得を目指す鹿島は、クラブでトレーニングをしており、両者の対照的な前日調整から早くも「試合」のような駆け引きが繰り広げられた。練習後取材に対応した神戸・フィンク監督は「鹿島はこちらで練習をしていないが、私たちにとってはこちらで一度やっておくのが大事だった。芝のコンディションや(土台の)硬さも知ることができた。いい天気でいいムードの中で練習できて明日の試合が楽しみだ」と話し、ACL出場権獲得もかかる大一番にポジティブな様子だった。 

 また、外国選手の出場5人枠も注目される。この日は、主将イニエスタのほか、天皇杯決勝が現役最後の試合となるビジャ、ポドルスキ、フェルマーレン、サンペール、ダンクレーの6人の「全員が練習に参加した。あすはもちろん難しい決断で1人を外すが、6人とも大事な選手でクオリティが高い。明日、見てのお楽しみです」と話すにとどめた。初めて踏み入れたピッチの感触について酒井高徳は「とても良かった。芝が柔らかく乾いた際にはボールが止まるので水を撒いてもらえれば」と笑ってリクエスト。この日は芝の長さが30ミリほどあったために、長く柔らかな印象を受けたようだが、天皇杯決勝は東京五輪のテストイベントでもあり、練習直後には芝を20ミリに刈って本番への準備を整えていた。
 クラブ創設から25年の神戸は、倉敷の川崎製鉄を母体に移転した95年1月、直後に阪神・淡路大震災に見舞われた。また、親会社だったダイエーの撤退など、クラブの四半世紀の歴史は困難とともにあった。昨年就任した三浦GMはこの日「クラブ初のタイトル、ACL出場権獲得、ビジャの現役最後の試合と、チームがひとつにまとまり雰囲気が素晴らしいのを感じている。これだけの舞台が整った明日、このタイトルを取らない、というのを想像できない」と、夏以降、上昇気流を掴んで決勝まで進んだチームに信頼と期待を寄せていた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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