スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2019年11月11日 (月)

東京五輪聖火リレー、ギリシャ国内のランナーに金メダリスト3人「1歩1歩アテネを踏みしめたい」野村忠宏氏 「物語には続きがあった」野口みずき氏

11日=東京・有明 来年3月12日にギリシャで採火され、2020東京五輪に運ばれるオ聖火リレーの概要が発表され、当日、古代オリンピック発祥の地・オリンピア市にあるヘラ神殿で採火された聖火の第2走者は(第1走者はギリシャランナーで2人目は開催国のランナーとなるのが慣例)、04年アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずき氏(41)が起用されることになった。また、ギリシャ国内を8日間リレーされた後、アテネのパナシナイコスタジアムで行われる開催国への「聖火引き継ぎ式」では、最後の2人をアテネ五輪柔道男子60㌔級でアジア人初の3連覇を果たした野村忠宏氏(44)、また女子レスリングが採用され初金メダルを獲得した吉田沙保里氏(37)の2人が聖火を受け継ぎ、日本への輸送機に同乗する大役を預かる。3月20日に航空自衛隊松島基地に到着。26日から、復興への願いを込めて東北から聖火リレーがスタートする。野村氏、野口両氏とも五輪後初のアテネ入りに。
 会見で(吉田氏は欠席)野村氏は「一番苦しみ、惨めな思いをしながら勝ち取った思い入れある金メダル。あの時は町を見る余裕もなかったので、今回は選手目線でないアテネの素晴らしさを観たい」と振り返り、200㍍のリレーに「走る速度もまだ分からないがダッシュでもしようかと・・・一歩一歩アテネを踏みしめながら大事な時間を過ごしたい」と、ユーモアを交えて期待を膨らませた。
 野口氏は「(04年で)もう終わった、と思っていた物語にまだ続きがあったという感激。あの時は午後6時スタートで気温が35度。命がけで走った思いがある」と、酷暑マラソンの厳しさを先ず口にした。金メダルのために、と当時は月間走行距離1370㌔を走破。男子でも難しい「伝説の練習」と言われている。「今は月間200㌔くらいで・・・つまずかないようにちゃんと走りたい」と、3月に向けての再トレーニングを笑顔で決意していた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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