スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2019年9月15日 (日)

MGC男子優勝の中村「自分に一番の誕生日プレゼントができた」女子優勝前田「東京オリンピックで金メダルを目指す」

中村の記者会見から要旨抜粋「自分自身への一番の誕生日プレゼントになった」(16日27歳に)
本日はありがとうございました。昨年のびわ湖で出場権を獲得してから約1年、良かったこと、うまく行かなかったこと様々だった。多くの方に支えて頂いて自分のベストが尽くせた。ここから1年、またオリンピックを目指して頑張りたい。
(勝負どころについて)40㌔付近で仕掛けるのがベストかと思っていた。余裕があったので坂で仕掛ければと思い前に出た。(服部、大迫、とのマッチレースに)緊張する場面だったが、最後まで自信を持って走れた。先ず気候条件に関しては、ここで数日の予報でそこまで気温は上がらないのかぁと思っていた。暑さには強いが、42㌔トータルとしてしっかり走り切るという考えだった。レース中にそこまで暑さを感じることはなく、途中、2分以上離れる場面はあったが、集団の中で自分のスパートのタイミングをみていた。
(大迫が並んだがラスト1㌔は)で追い付かれて焦りもあったが、800㍍でもう一度上りがあるのでそこでうまく余力を残して仕掛けることができると思っていたので、予定通りのレースができた。MGCに向けて3か月ほど練習した中で、決して全てが順調ではなかった。ベルリンマラソンに出場し、8月アメリカのパークシティでいい調整ができていて、あとは勝負所を見極めて走るだけだと思った。(設楽が出て)誰か着いていくのかと思ったが、集団は42㌔を通して勝負しようという意思が見えたので、最終的には42㌔で勝負ができればいいのかな、と冷静だった。内定を頂いて、これから大変だが、1年後の五輪に向けてしっかり準備をして(故郷)三重県の人たちにも見てもらえたらと思う。
(駒大の大八木監督に指導を受けている)大学3年で東京五輪が決まって、東京を目指すのに大八木さんに一緒にやらないか、と言われ、監督と一緒なら本当に目標にたどり着くんじゃないかと数年前に思えた。少しでも恩返しができたのか、と思う。駒沢大からオリンピック選手がいなかったのでうれしい、と大八木監督に言われたが、まだあまり話はできていません。
(きょうが26歳最後の日)16日が誕生日なんで、26歳最後のいい日になるといいですね、とメディアにも言われていた。あした、いい気持ちで27歳を迎えたいと思っていた。自分自身への一番の誕生日のプレゼントになった。
(4強と言われていたが)レース前4強と言われている選手がいるなかで、プレッシャーなく臨めた。そういう選手に勝ってオリンピックの内定を取れたのは自信になる。暑さへの強さは科学的には分からないが、夏も大崩れしたことがない。毎年、夏にピークを持ってこられるのも自信を持っていた。
(上野工業の恩師で2012年に亡くなられた町野英二先生も喜んでいるのでは)先生に指導して頂いた3年がなかったらきょうはなかった。先生には、激流を木の葉が流れるように(マラソンを)走れば、石にぶつからずに走り切れると教えて頂き、きょうはその通りのレースになった。


前田の会見から要旨抜粋「金メダルを目指す」
今回は自分のレースをしっかり走ると決めていた。仕掛けは・・・・(長く沈黙してから)あんまり考えてなかったです。気が付いたらいつの間にか後ろの選手がいなくなっていて。誰か来るかな、と思って仕掛ける準備はしていました・・・来なかったです。
(高校時代はなかなか走れなかった)マラソンでオリンピック出て世界で戦うという気持ちがあった。
(レース中一人旅になった)ペースはあまり気にせず自分のペースで走り切ろうと考えていた。リラックス、リラックスと思いながら走っていた。ゴール後は、脱水で足がつりそうでした。
(一番自信をつけた練習は)30㌔や20㌔の変化走で、最後の1㌔を切り替える練習をし、その最後の1㌔を3分切ったり、3分10秒は必ず切って走れていた。
(今大会は通過点だと思うが)この大会でしっかり切符を取ったのでもう一度切り替えて世界で戦えるようしっかり金メダルを目指して練習に取り組みたいです。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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