スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2019年7月14日 (日)

内村航平 肩痛消え順調に回復中 親子運動会でコバチ披露「(東京五輪は)夢物語から、行けなくはない、叶えられる夢に」

 14日=東京・有明 体操男子で12、16年オリンピック2連覇の内村航平(30=リンガーハット)が、公募で選ばれた親子50組による「親子大運動会」のイベントにゲストで参加し、チームの一員として一緒に大玉転がしや、内村が初プロデュースした体操の動きを交えた障害物リレーに出場したほか、自身の強い希望で「鉄棒の風圧や音、高さといった迫力を感じて欲しい」と、鉄棒の実技披露も行った。
 演技の前には、日々のトレーンングで行う「ロープのぼり」を見せたり、手が小さいので女子用のプロテクターを愛用している秘密や、握力測定では「41・7キロ」と、同年代の男性の平均(47キロ)を下回る数値が明らかに。「鉄棒は指をひっかけているだけなので握っていない」と明かすなど、試合では触れる機会のない王者の「横顔」に、参加者は感激した様子だった。
 鉄棒の周囲を子どもたちや父兄に囲まれて得意のコバチを見せ2度失敗したが、「東京五輪で成功させます!」と誓い、大きな拍手を浴びた。 4月の全日本選手権では肩痛の悪化で予選落ちし、10月の世界選手権(ドイツ)の代表入りは果たせなかった。その後、さまざまな肩治療を行い、回復は順調だと笑顔を見せた。全日本では「東京五輪出場は夢物語」と落胆した様子だったが、この日は痛みが消えたため終始リラックスした余裕を感じさせ「(五輪は)いけなくはない、叶えられる夢になった」と、前進している実感を漂わせた。次戦は8~9月の全日本シニア選手権(福井)となる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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