スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2019年6月17日 (月)

サッカー南米選手権「チャレンジ、勇敢、アグレッブに、最低でも勝ち点1まで粘る」9カ月遅れのチリ戦に森保監督

「チリのような強い国と早く試合がしたい」-中島翔哉
16日午後5時半(日本時間17日午前5時半=サンパウロ・モルンビスタジアム 日本代表は、17日のコパアメリカ初戦チリ(ランキング16位)との対戦を前に試合会場で、冒頭公開のみの公式練習を行い、森保一監督と柴崎岳が記者会見に臨んだ。昨年9月、森保一監督の代表初戦はチリ戦が予定されていたが、北海道で起きた地震によって中止に。「(被害を思えば中止は当然だが)とても残念だった。それがここコパで対戦できるのは大変嬉しいこと」と、改めて9か月遅れのチリ戦への特別な思いを口にし、平均年齢22歳の代表に「チャレンジ精神を持って、どう戦うか(システムなど)も大事ですが、勇敢に、アグレッシブに戦うよう伝える。(若手にも)オレたちこれだけできるんだというのを見せて欲しい。最低でも勝ち点1は拾っていけるように粘る」と、ほぼ、ぶっつけ本番で臨むディフェンディングチャンピオンとのビッグマッチにまずは強い気持ちで挑むよう求めた。システムについては、「3バック、4バックともにとも準備しているが、もう少し考えさせて下さい」と明言は避けたものの、先に失点する展開だけは避けたいはずだ。柴崎は、スペイン語圏の審判に入る点について「コミュニケーションを取る気持ちはあるか」と聞かれ、「はい、あります」と答え「(昨年のW杯からこうした国際舞台に戻り)できればフルメンバーで来たかった」と、リーダーシップとともに胸のうちも明かした。
 練習後、中島翔哉は「すごく楽しみですし、チリのような強い相手とやれるので早く試合がしたい。楽しみです」と、いつもと変わらず「楽しむ」を繰り返しリラックスした様子を見せた。チリのルエダ監督は公式会見で日本の若さに対して「日本には勢いがあり、疲れ知らずといっていい。様々なサッカーを交えているので(各年代から招集されていて)対応はとても難しい。私たちには(若さ、勢いとは)反対に成熟さが必要だ」と、日本の若手を勢いずかせないよう、試合運びでの巧者ぶりを強調した。
 日本時間18日午前8時にキックオフ。同じくアジア勢で招待されたカタールは初戦パラグアイと2-2で引き分けた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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