スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2019年1月10日 (木)

レスリング吉田沙保里引退会見「若い子たちにバトンタッチしてもいいのかな。やり尽くした」と決断 今後は全日本コーチで東京目指す

10日=都内ホテル 女子レスリングでアテネから五輪3連覇を果たすなど国民栄誉賞を獲得した吉田沙保里(36)が引退会見を行った。テレビカメラが34台、事前に人数制限をしても会場は超満員になるなど、レスリング界のみならず女子アスリート、日本のスポーツ界の伝説となった吉田のキャリアを伺わせた。会見で、引退を決意したのは昨年12月の天皇杯で若手の活躍、勢いを感じるなかで「バトンタッチしていいのかな、と思うようになった。やり尽くした」と決断したという。今後は、ナショナルチームのコーチとして「精神的な支柱に」と、サポート役をこなしながら2020東京五輪を目指すとした。また、今後の活動を聞かれ、政治家への転身については「政治に興味がありません」、結婚の予定を聞かれると「ありません」と共に断言したが、「女性としての幸せは掴みたいと思っています」と答えて会場を笑わせた。02年世界選手権から連勝を続けて、2016年色五輪まで、もっとも印象に残る試合がリオの敗戦と選んだ。「表彰台に立った時、負ける人の気持ちが分かった。そしてこういう仲間がいたから自分が勝っていた、レスリングを続けられたんだと初めて分かった気がした。自分を成長させてくれたメダルになった」 

勝ち続けた最強の選手が人生をかけてたどりついた、そこがもっとも輝かしい場所だったのではないか。また、吉田が引退を決めた全日本で復帰を選んだ・・・

また、吉田が引退を決断した全日本で五輪5連覇を目指して復帰した伊調馨について「ずっと一緒にやってきた素晴らしい選手。馨の口から東京五輪を目指すと聞いて率直に凄いなと思った」と敬意を込めた。伊調もALSOKを通じて「33年の選手生活お疲れ様でした。日本代表として世界で戦うようになってからずっとお世話になりっぱなしで沙保里さんの明るさや優しさにいつも元気づけられてきました。突然のことで驚きましたが第二の人生も楽しんでください。本当にありがとうございました」とコメントを発表した。女子レスリングが五輪種目になるはるか前から、それを信じて戦い続けた「戦友」同士だ。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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