スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2017年5月13日 (土)

世界パラトライアスロン横浜大会 転向後初のシリーズ戦で谷真海(旧姓佐藤)V 「スーツは脱げない、タオルは落とす、義足まで間違えドタバタでしたが・・・」20年東京へ一歩

13日=横浜市内 雨、気温19・8度、水温21・5度(パラトライアスロンはスイム750㍍、バイク20キロ、ラン5キロ) ITU(国際トライアスロン連合)のランキング大会「ワールドトライアスロン横浜」が行われ、義足女子走り幅跳びでアテネ、北京、ロンドンと3大会連続でパラリンピックに出場した谷真海(35=サントリー、旧姓佐藤)が、2016年11月のトライアスロン転向後、初のパラワールドシリーズに参戦し昨年のリオパラリンピック出場者らを抑えて1時間18分6秒で優勝(PTS4=立位で中度の障がい3人出場)、2020年東京オリンピック・パラリンピックへの大きな手応えをものにした。昨年転向後、広島アジア選手権、今年4月にもフィリピン大会に出場したが、帰国後、旧姓胃腸炎を患いこの2週間のうち1週間は寝込んで体重減、今レース欠場のピンチに。しかし「自分の今の立ち位置を知らなくては高いレベルは目指せない」と強行出場した。

 まだレースに慣れずトランジッションでは「素人感満載」と苦笑い。スイムからバイクに移動する際、ウエットスーツの背中がなかなか開けられずに苦戦し、さらにスイムからバイクに移動する際に、タオルを落として(ルール上、使用するギア全ては決められたボックスに入れていないとタイムで減点対象に)一端戻ってタオルをしまい、さぁバイク、とスタートしかけた時、バイク用に履き替えるのを忘れてまた戻った。「バイクが弱点と思っているのに、もうドタバタで・・・でも丁寧にこぎました。最後まで諦めずに、リオにも出ている選手に勝てたのはうれしい。アスリートとしてやっと形になってきた手応え、楽しみもありそのご褒美が1位でした」と、ゴール前には観客とハイタッチし、12年ロンドンパラ以降、遠ざかっていた国際舞台に「アスリート」としてカムバックを果たした充実感を見せた。レースには夫と2歳の息子が応援に駆け付けた。2020年の種目はまた決まっていないが表彰台を狙う。
  また、すでに夏・冬パラリンピックに出場しメダルを獲得している42歳の土田和歌子(八千代工業)はトライアスロン歴3カ月でこの日「座位、車椅子」の部門で 1時間15分11秒で優勝した。

 

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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