スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2012年5月26日 (土)

Jリーグ第13節「西野朗監督、厳しいポジションにやりがいを感じながらピッチに立った」神戸初陣は飾れず鹿島に1-2でスタート

「西野監督 攻撃カードで先手の、らしさも見せる」

  26日=神戸 ヴィッセル神戸の西野朗新監督が、ホームズスタジアムに鹿島を迎え、初指揮に臨んだ。前半7分、中盤での奪い合いから鹿島・青木にパスで突破され、このボールがジュニーニョに。早くも先制されてしまった。後半6分と、またも立ち上がりに中央でボールを奪われ、鹿島の鋭い縦攻撃から興梠にゴールを許してしまった。

 後半、ガンバで「アクションサッカー」を築きあげてきた西野監督は、朴に代えて田代有三を投入、先にカードを切って試合を動かす。続けて交代をしながら攻撃的な布陣に代えていく「メッセージ」が選手に伝わり、前半とうって変ってボールを保持しながらチャンスを作る。交代枠を使いきって迎えたロスタイム、大久保を起点に田代がゴールを奪ってなおも攻め続け、鹿島の8本に対し16本のシュートを放つ「超攻撃的な西野サッカー」の片りんは見せた。この日は2万2766人が詰めかけ、ホームでの2万人越え09年の4月以来、実に3年ぶり。西野監督のアグレッシブな姿勢に、サポーターの期待感が表れた。

西野監督 後半になってボールを持って危険なエリアに入るようになった。リードされた中でも少し形になったかな、と思う。あれを続けていかないといけない。正直、選手全員のスタイルを把握しているわけではないが、中盤を少し変えていく必要はあるだろう。自分たちでパスを保持してアクションする中で崩す。それをしていきたい。久々にワンプレーの厳しさ、ゲームのテンポの違いなどを感じた中で、ヴィッセルがグループでゲームを進めていく良さなど、色々な可能性を感じたゲームだった。厳しいポジションにいるな、と改めて感じたし、新しいチームを率いる一歩目のゲームだった。現状と未来に、やりがいを感じながらピッチに立っていました。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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