スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2011年9月 1日 (木)

「チャンピオンズリーグが開幕するときの緊張感に似た気持ちだ」ザック監督 アジア3次予選北朝鮮戦を前に

  2014年のW杯ブラジル大会アジア3次予選初戦の北朝鮮戦を前に、1日、日本代表は会場となる埼玉スタジアムで公式練習、記者会見に臨み「いよいよW杯予選が始まる。フレンドリーのテストを経て、これからはプレッシャーのかかる戦いに入る。これまでやってきたものが、あすの試合でどれほど出せるか、個人的には楽しみしている。試合の重要さはみな分かっている。選手を信頼するだけだ。ピッチ上でも外でも素晴らしいクオリティを持った選手たちだ。団結力のある非常にいいチームだが、これまで通りの戦いを選手がしてくれると信じている」と、初戦の勝利スタートに自信をのぞかた。(記者会見から要旨のみ抜粋)

 

  長谷部誠主将は「長い戦いだが、初戦が大事。今は自信を持ってやっているのでそれをピッチで出せれば絶対に勝てる。皆さんが見て楽しんでもらえるようなサッカーをしたい」と、主将として臨む初の予選にも落ち着いた様子だった。

ー色々な予選を見てきたと思うが。

監督 結果であり順位であり、それにかかってくるとプレッシャーがかかり試合へのアプローチは難しくなる。沢山の文化とタイプが混じっているアジアは尚さら難しくなる。

ーイタリアのシーズンの初めと同じか、それとは違う心境か

監督 面白い比較だ。クラブチームならプレマッチを戦ってリーグを迎える初戦のような雰囲気なのかもしれない。しかしリーグは継続性があるが、予選はない。どちらかといえばチャンピオンズリーグの開幕に近い気持ちかもしれない。

ーハーフナー・マイクの招集とそれに至った経緯を

監督 2人が離脱したことで、1人は追加、あと一人は今も誰を呼ぶか悩んでいるが、ハーフナーはリーグも調子よくやっているし、ほかのFWとは違ったプレーをしている。

ー7月のコパでもブラジルやアルゼンチンさえ大陸で苦戦している。

長谷部 アジアのレベルもあがっているが、自分たちのレベルもあがっている。過信ではないが、それを証明するためにも、アジア杯のチャンピオンとしてしっかりした戦いをしたいと思う。

ー北朝鮮のどこに注意するか

長谷部 2人の選手を失ったわけだが、彼らの特徴も失われたことになる。しかし代わりの選手がやってくれるだろう。それで乗り越えられると思っている。

ーあすは天候が悪く、雨になりそうだが。パスサッカーは不利では

監督 日本代表のひとつの特徴はパスだが、サイドから攻める、中央を崩す、などほかにも様々なバリエーションを持つ。ピッチの状態が悪いからといって、戦い方は色々と持っている。

ーあすのゲームプランは

監督 ゲームプランは大きなところ、日本代表が持っていると能力を最大限に発揮することだろうと思う。細かいところは、試合を見て考えていくことになる。ただ、日本代表はやはり90分を通してプレーをすることで、10分、20分がよくても、90分を通してプレーをすることが大事だ。

ー北朝鮮のイメージと、主将として迎える初の予選に臨む心境を

長谷部 組織的あ守備をし、しっかり体を張ってくる。前の選手は個人技を持っていて強いと思うが、相手をリスペクトしすぎないように、自分たちのサッカーをするだけだ。予選が始まるが、前回の予選を経験した選手が数名しかいない。その中で、若い選手に経験を伝えていきたいし、若い選手たちの元気も大事。それをうまく融合させて、いいチームを作っていきたい。

ー初戦は難しくなるが。

まとまりがあり団結力がある。相手の特徴とどう対峙するのか、に注意を払う。キャプテンからもあったが、日本代表として自分たちがやるべきことをやるだけだ。初戦の次ぎは2試合目があり、2試合目の次ぎは3試合目があるに過ぎない。このチームは、自分たちが成長しなくてはいけない、と自負している。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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