スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2011年6月 1日 (水)

「サッカー日本代表キリンカップ、ペルーにスコアレスドロー」3バックにトライも今後に課題

サッカー日本代表は、キリンカップ(新潟・東北電力ビッグスワンスタジアム)で、ザッケローニ監督就任後、公式戦では初となる3-4-3の布陣をスタートから敷いてペルー戦に臨んだ。帰国したばかりのMF本田圭佑(24=CSKAモスクワ)、DF長友佑都(24=インテル・ミラノ)ら欧州で終盤のタイトル争いなどをした選手たちは、「疲労を考慮して」(ザック監督)スタメンから外れたが、西大伍が初出場、仙台の関口訓充は初先発と、9月のW杯アジア予選に向けての戦術、選手のトライアルともなった。

 日本がこの試合に勝つか引き分ければ、昨年の南アW杯デンマーク戦以来となる日本代表の無敗記録を新たに13にまで更新、ザック監督もすでに日本代表記録となった就任からの無敗を「9」に延ばす。

 前半は、初の3-4-3で臨んだものの、中盤の動きが機能せず、3トップにチャンスボールが全く入らない。左の安田、右の西とも動きがなく、ビルドアップができずに前半は、無得点で終了した。
  後半、前日帰国したばかりの本田を西に替えて投入し、安田を左サイドに落として4バックに修正。中盤に本田、岡崎、関口を並べて、従来のシステムでもあ る、4-5(2-3)-1で活性化をはかった。10分には本田が左足のFKでペルーゴールを脅かすが得点にはならず、22分、ザック監督が動く。

 イタリアカップ戦を手にした長友を関口に、前田と李を替えて試合を決める手を打った。さらに、興梠と安田、伊野波と森脇と替えたが、逆に組織的な 守備ができずに再三ペルーにチャンスを作られて劣勢に。3分のロスタイム、本田がゴールへドリブル突破を試み、ここでファールを誘ってFKのビッグチャン スを獲得。ラストチャンスに、遠藤がFKを蹴ったがゴール上に流れてスコアレスドロー。選手の悪コンディションを、次戦のチェコ戦(7日)までにどこまで あげられるかが課題となった。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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