スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2011年5月27日 (金)

サッカー日本代表キリン杯メンバー発表 柴崎(川崎)、宇佐美(G大阪)、西(鹿島)が代表初選出

 サッカー日本代表「キリンチャレンジカップ」のメンバーが27日、JFAハウス(東京都文京区)で発表された。1月のアジア杯(カタール)で優勝したメンバーを軸に、今回、中盤から川崎の柴崎晃誠、鹿島の西大伍、五輪代表の宇佐美貴史(G大阪)の3人が初選出された。

 会見に出席したザッケローニ監督は、今回の2試合を9月から始まるW杯アジア予選に向けて、テストできるのは3試合で、その2試合の「テスト」として位置つける。基本的には、アジア杯のメンバーには、これまでの戦術を軸にしながら、3-4-3.4-3-3と状況に応じてシステムをスムーズに変えられる成熟度を求め、今合宿の新メンバーらには、この幹に対して有効な「肉付け」を求めていくことになる。

 監督は「最大の目標は14年W杯に参加することだ。まだ知らない選手もいるので、手元に置いて見るには最良の機会。結果は大事だが、成長、また選手をよく知ることも私にとっては大切だ。Jが再開してからは、日本中のJリーグの試合をひとつもこぼすまいとカバーしてきた。新しい選手はどういった選手なのか興味深い。呼ばれなかった選手もいるが、彼らのことはよく分かっているので、今回は新しいメンバーを見てみたい。大切なのは過去より未来」と話し、今後も広く門戸を開いていく方針を明らかにした。

 宇佐美について監督は、いいクオリティを持っているが、A代表ではなくあくまで五輪代表であり、関塚監督と相談した上で「奮起を促すために。19歳、若さが魅力だ。続けて努力し早く選手として完成してほしい」と選出理由を明かした。今回は五輪には選出されておらず、またG大阪でのパフォーマンスも評価はしていない。6月の五輪予選(クウェート戦)にどこまで調子をあげられるか、ザック監督、関塚監督からの宿題が出された格好だ。

 西については、昨シーズンの成功と、今年1月の代表合宿でのプレーが評価された。柴崎は今シーズンからJ1となり、今回はいい機会として、A代表に初起用された。

 また、仙台からは唯一、関口が選出されており、「彼の活躍が被災地にいいニュースを運ぶことができれば、と願っている。攻撃の部分でいい仕事ができ、両サイドをこなせる選手だ」と評価。この2試合のアプローチのキーワードは「集中力と注意力」というメンタルでのアプローチが重要になってくる、とメンタル面での強化を大きなテーマにしている。

 南米特有の、全力でぶつかってくるペルー、ユーロ予選でも順調に勝ち点を重ねるチェコを、ピッチをうまく使う、と警戒した。

GK
 1 川島 永嗣(リールセ・ベルギー)
23 東口 順昭(新潟)
12 西川 周作(広島)

DF
15 今野 泰幸(FC東京)
 4 栗原 勇蔵(横浜)
 2 伊野波 雅彦(鹿島)
 5 長友 佑都(インテル・イタリア)
 3 槙野 智章(FCケルン・ドイツ)
21 安田 理大(フィテッセ・オランダ)
 6 内田 篤人(シャルケ・ドイツ)
22 吉田 麻也(VVVフェンロ・オランダ)

MF
 7 遠藤 保仁(G大阪)
17 長谷部 誠(ウォルフスブルク ・ドイツ)
14※柴崎 晃誠(川崎)
 8 森脇 良太(広島)
13 細貝 萌(アウクスブルク・ドイツ)
10 家長 昭博(マジョルカ・スペイン)
20※西 大伍(鹿島)

FW
11 前田 遼一(磐田)
19 李 忠成(広島)
16 関口 訓充(仙台)
 9 岡崎 慎司(シュツットガルト・ドイツ)
18 本田 圭佑(CSKAモスクワ・ロシア)
24 興梠 慎三(鹿島)
25※宇佐美 貴史(G大阪)

※は初選出

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

カテゴリー

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」