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2010年6月15日 (火)
「ベンチも皆で肩を組んでください」長谷部誠、本田、大久保、松井、中澤コメント

 国歌斉唱の際、ピッチの11人と、ベンチの12人とスタッフ、監督全員が肩を組む珍しい光景が。前夜闘莉王が発案し、それを川口、長谷部、加藤コーチらが皆に伝え、ピッチに立ったときには、長谷部が岡田監督に「皆で・・・」と伝えた。岡田監督は「喜んで」と返した。また、マン・オブ・ザ・マッチには、決勝ゴールを奪った本田圭佑が選ばれた。W杯のマン・オブ・ザ・マッチは、前回06年大会の予選第2戦クロアチア戦(0-0)で中田英寿が獲得している。

 「我慢がこの素晴らしい結果に・・・」=本田(マン・オブ・ザ・マッチ受賞)ここ最近チームとして結果が出ていなかったし、正直、雰囲気もあまり良くなかったですけど、チームが岡田さんを中心に前を向いて我慢したことが、今日のこの素晴らしい結果につながったと思っています。(ゴールシーンは)ボールが来たらいいなと思った。全てが上手くいきました。トラップまで良かったのであとはいかに落ち着いて決めるかだったが、ああいうシーンで外すことが多かったので本番の大事な点を決めることができてよかった。楽しんでプレーをすること、自分のプレーをすることを考ええいたし、何事も信じてやれば結果はついてくる。俺はストライカーじゃない。ストライカーらしいことはできないけれど、自分のできること、きょうは相手の左サイドを狙うことだったので、それをやった。ゴールが決まって5秒経ったら、憲剛君(中村)に、ゴールを決めたらベンチに来い!と言われていたことを思い出したので走って行った。あと2敗したらいけない。オランダはこんなにうまくいく相手とは思わない。

 「日本はいいサッカーすると思わせることができて誇らしい」=松井 (得点のアシストの場面)GKとDFの間にボールを入れるということを話していたので、左で蹴れるところを狙って行った。本田のゴールは本当に嬉しかった。でも、攻撃ではもっとつなげなくてはいけないし、ビビリ過ぎているというか、でもここで勝ったことで自信がみなぎってくると思う。戦い方は変わっても、みな臨機応変にできると思う。きょうは、監督にも球際で負けるな、強く行けと言われていたし、自分も気持ちを込めて戦った。これで、ヨーロッパでやっている人もそうでない人も、日本ができることを分かったと思う。日本はいいサッカーをするな、と思ってもらえると思うし、それが誇らしい。

 「こんなに嬉しい90分なんて」=長谷部 トスで陣地を取ったのは、陽射しもないし、風もなかったので、このままで行こうと。きょうは、こぼれ球をきちっと拾っていくこと、自分のゾーンに入ってきたボール、選手は強く行くことを徹底した。気持ちを入れてやらなくてはいけないし、W杯のためにやってきたのだから自然と気持ちが入りました。最後は、相手も人数をかけてきたんで、僕らも人数をかけていこうと話していたし、(カメルーンのパワープレーも)それほど戸惑うことはなかった。今まで色々な90分を戦ってきたけれど、本当に、こんなにうれしい90分はなかった。勝てなかった中、色々と試行錯誤をする中で、正直、苦しいこともあったが、チームはむしろ結束した。一丸となったから勝てた、それに尽きます。

 オランダ戦を楽しむ余裕はないけれど、いい気分で臨めるはずです。(国歌斉唱の際に皆で肩を組んだのは)前の夜、(闘莉王の提案で)きょう試合前にやろうと。国歌斉唱の前、監督には僕から言って「ベンチも皆でやりましょう」と。

 「テレビのほうが盛り上がるね」=大久保 全員で戦った結果。思っていた通りの戦い方ができたし、カメルーンは強くてビクともしない分、やりやすかった。自分にパスを出してもらえればというチャンスはあったけれど、それが出なくて残念だったが、今日のやり方では仕方ないと思うし、勝ち点3を取れればそれでいい。ブロックを作って、そこから奪って攻める。最後までそれができていたし、相手のDFは、斜めに走ることが効果的だった。(W杯初出場の感想は?)うーん、テレビのほうが盛り上がるね。緊張もしなかったし、自分のことになると特に何も感じなかった。C大阪でデビューしたときのほうが、よっぽど緊張した。

 「ブレ球シュートが来た時は、時が止まった」=中澤 前回のW杯ではこのミックスゾーンを凹んで沈んで通った。ある意味こういう勝ち方もある。ブレ球のシュート(バーにあたった)が来たときは、時が止まりました(笑)。オーストラリア戦のことを思い出したわけではなかったし、時間を見ていなかったので、ロスタイム表示が出るまでは時間を気にすることはなかった。みんなハードワークをしていた。矢野も岡崎もみな自分のプレーではなくて、勝つためにプレーをしていた。ホイッスルが鳴った瞬間、やったー!って感じですか。あれだけ圧力をかけられて攻められた中で、DFとしては辛いけれど0点に抑えられたのがうれしかった。強い気持ちで競えた結果だ。(自主性があるか)まとまりがすごくある。イナもベンチでずっと声を出してくれたし、陰で支えてきてくれた人の力も大きい。自分たちのサッカーを信じて、泥臭くやるだけ。アジアで勝ってきたプライドは捨てている。でも1勝するためにここに来たわけではない。喜ぶのは今日だけ。


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この特集について
スポーツライター増島みどりによる南アフリカW杯レポート、選手へのインタビュー。

増島みどり プロフィール
1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。著書も多く、速報サイト「ザ・スタジアム」も主宰している。

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